アルコール中毒症・サンフランシスコの臨床ヒプノセラピストのホームページ

Setsuko Yano, M.A., MFT, CHT

お酒の話

何のために飲むのか

日本で育った私は、顔を赤くし、お酒臭い酔っ払いを無数に見ました。 夜になったら公衆の場で吐いたり、普通の会話ができないほど酔うことが受容されているのは、 日本社会の不思議なところです。昼間と夜のありさまが極端に違うことに気付いていますか? 昼間は折り目正しく、礼儀正しく行動している人々が、お酒の力と夜の闇に包まれて豹変するのはなぜでしょうか?

日本社会の目に見えない規制や価値観は、人が自然でいること、エネルギーと共に行動することをはばんでいます。 自己規制と社会機構にがんじがらめになった人々は、ほっと息をつける場を求めています。 あまりにも本来の姿からかけ離れた生活をしているので、息をつくにはどうしたらいいかを 忘れているのです。体が本当は何を欲しているか、魂が何に飢え乾いているのか、 見当もつかない人が大勢います。 人々は夕闇と共に酒場や晩酌に引き寄せられ、本当は何をしたいのかを忘れるために乾杯します。 神経を麻痺させて、深夜電車で帰宅し、夢も見ずに眠りにつくのですね。

お酒は 仕事のストレスを発散したり、つきあいに欠かせないものとされていますが、これは普遍的な 文化ではなく、昔から引き継がれてきた悪習です。ストレスを発散するどころか、アルコールは鬱をさらに深めます。 REM睡眠が妨げられるため、すっきり目覚めることができません。長年深酒を続けている人は、 家族や配偶者を犠牲にし、自らの体を痛めつけ、静かにゆっくりと自殺しているようなものです。

お酒は会話を滑らかにする道具だと思っている人もいますが、魂と魂の結びつきにはお酒はいりません。 人と深くつながるためには、シラフでコミュニケートしなければならないのです。 お酒は意識を変容させるので、今という瞬間を完全な意識を保って体験することができません。 だからこそ人はお酒を飲み、今という瞬間を完全に体験しないようにしているのです。覚醒した意識で 現在を体験するのは不安がともない、あまりに苦しいから。

アルコール依存症

依存症になっているかどうかは、アルコールによってどれくらい害が出ているかが一つの目安になります。 他にストレスの解消法がない人、毎晩飲んでいる人は赤信号。飲酒運転でつかまったり、会社に遅刻したり、お酒の匂いをさせながら朝出勤したりする人は、赤信号。 長年飲んでいて、同じ量を飲んでいるのに、最近お酒に弱くなった人は赤信号。 体に影響が出ている人は黄色信号。「私の酒は良い酒です」という「酒癖がいい」人もいるかもしれませんが、 このまま続けたらどうなるかわかりません。お酒を減らしたら、あるいはやめたら人生はどう変わるでしょうか?

2006年 著作権・臨床ヒプノセラピスト・臨床心理士・矢納摂子 

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